HyperCard2.4レポート02

Japanese only

 えー、ちろちろと使ってみました。不正確なところもあるかもだけど、とりあえず簡易レポートです。

推奨環境
 HyperCard 本体は相変わらず FAT アプリケーションで、System6.0.5 以降で起動できます(未確認)。 OS X 上では Classic アプリケーションの扱いになります。

 カラーツール、QuickTime ツール、AppleScript などを利用する場合は、概ね 7.1 以上、68020以上が必要です。カラーツールは少々重めなので、実質 68040 以上が必要(G3以上推奨)。


2.0/2.1と比べて
 OSA対応になり、AppleScript を利用したり、AppleScript から利用したりが便利になりました。スクリプトエディタ上で直接 AppleScript を書くことが出来ます。例えばカードスクリプトは HyperTalk、BGスクリプトは AppleScript、なんてことが出来ます。
 カラーツールを使ってカラースタックを作ることが出来ます。ピクトをカード上に置いたり、ボタンやフィールドに色を付けることが出来ます。ただしハイパカらしからぬ操作性で、使いこなすには少々努力が必要です。カラーのペイントツールはスクリプトから使えません。(つまりカラーで絵を描けるのはスタック作成時のみ)
 ムービー再生が出来ますが、これまたスマートとは言えない出来です。カード上の位置と、ムービーファイルとを指定して、スクリプトから再生します。(コントローラを表示してユーザーに再生させることも出来ます) 位置指定や再生オプションが多彩ですが、面倒なスクリプティングを強いられます。それを補助するため、ムービー再生スクリプトを生成するスタックが付属します。ムービー再生オブジェクトが用意されているイマドキの環境(SuperCard/RunRev/REALbasicなど)に比べて1世代以上遅れてる感じがしますね。
 ボタンには、オーバル(楕円)や標準(シンプルな角マル)、デフォルトボタンなどのスタイルが追加になりました。またボタンがコンテナになり、文字列を保持出来るようになりました。ボタンの内容を使ってポップアップメニューを表示することも出来ます。これは便利。
 フィールドは「リスト」という形態を取ることが出来、自動的にクリックした一行を選択できるようになりました。
 この他に、ボタンやフィールドなどを一括して「パーツ番号」で呼べるようになったなど、HyperCard/HyperTalk は 2.2 で大幅に機能強化されています。2.0 や 2.1 の製品版を持ってる方も、2.4 は買って損は無いでしょう。


2.2Liteと比べて
 Lite 版は、カラー、ムービー、ヘルプスタックなどが省略されています。 Lite 版でもスタックを作れる(要裏技)ので、基本機能だけを使うのであれば 2.2Lite を使い続けてもいいでしょう。
 ただし 2.2 は 68K アプリケーションなので、スピードに不満が出ることがあります。HyperCard は2.3から Fat アプリケーションになっているので、PPC マシンであればそのスピードを生かせます。また OS8.6 や OS9.x でフォントやディスク関連の問題が起きることがあり、完全エラーフリーで使いたいのであれば、スタック鑑賞時だけでも 2.4Player を使う必要があります。


商品版2.2/2.3と比べて
 スクリプトエディタが少し便利になってます。エディタ上のボタン、または Cmd-クリックで出てくるポップアップメニューから、目的のハンドラに一気に飛べるようになりました。
 Pictureコマンドで jpeg ファイルを開けるようになりました。また QuickTime 関連の機能として VR ムービーが扱えるようになっています。
 面白いのは、スタックを開くオープンダイアログで、スタックのプレビューが表示されるようになったことです。カードイメージを縮小したピクトリソースをスタックに入れて、それを表示しているようです。
 スクリプトを開く時のショートカットが一部変わりました。 私は今まで Cmd-Opt-1 でカードスクリプト、-2 でBGスクリプト、-3 でスタックスクリプトを開いていたのですが、2.4では -C、-B、-S のみになりました。 Cmd-Opt-S ってなんだか何かを書き込みそうなコンビネーションで、使っていて気持ち悪いです(^^;)
 2.0-2.3 で起きていた OS の相性問題、具体的にはカード印刷時に文字のスムージングが利かない問題と、HFS+の大容量 HDD でスタック整理に失敗することがある問題が、解決されています。スタック作成時にこれらが気になる場合は、2.4 が必要になります。(スタック鑑賞だけなら 2.4 Player を利用すれば問題は起こりません)
 全体に、2.2/2.3 から大きく変わったところは無いです。2.2 や 2.3 の製品版を持ってる人には、あまり魅力的な商品とは言えませんね。


2.4 で作ったスタックを配布する時に注意すること
  Picture コマンドはやっと jpeg ファイルを開けるようになりました。便利です。 Picture コマンドは XCMD で実現されているので、Picture コマンドを使ったスタックを配布する時は、そのスタックに新しい Picture XCMD をコピーした方がいいでしょう。こうすれば 2.0-2.3 の実行環境でも、新しい Picture の機能を利用できます。

 カラーツールはあまり変化無いようです。 jpeg ファイルを直接取り込むことは出来ず、相変わらず一旦 PICT にしないとなりません。スタックをカラー化すると最新の addColor XCMD が自動的にコピーされるので、互換性について特に配慮することはありません。そのまま 2.0-2.3 の実行環境で利用できます。

 ムービーは XCMD ではなく、本体にビルトインされました。従って、2.4 でムービーを扱うスタックを作った場合、そのスタックは 2.0-2.3 では機能しなくなります。製品版 2.3 を持っているのであれば、そこから Movie XCMD をコピーすることも可能ですが、2.4 からサポートされた VR ムービーは Movie XCMD では扱えません。

 当然ながら、Player2.4 を利用すれば、2.4 で作ったスタックを正しく見ることが出来ます。実行環境を指定できるなら、そのままスタックを配布しても大丈夫です。またアプリケーション化の機能を利用して作ったアプリケーションは、実行環境がまるごと内蔵されるので、これも問題なく配布出来ます。


日本語対応
 全く問題ありません。フィールド上でインライン変換が出来ますし、全角キャラクタを char で数えることが出来ます。
 メニューは全て英語なので、スクリプトからメニューを指定する時は、英語のメニュー名を使う必要があります。面白いことに、メニューを英語で指定したスクリプトは、日本語版でも正常に動作します。(ので、日本語版HyperCard であっても、メニュー名には英語を使うことを推奨。詳しくは HyperPiece 参照)
 ヘルプスタック、マニュアルなどは当然ながら全て英語です。HyperCard に親しんでいる人なら問題ないでしょうが、これから始めようと言う方には少し辛いかも。
2003.12.01
2003.12.28
2004.02.11. UDI


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