開発環境上で使うスタックと、Revolution をプレイヤーとして利用するスタック

 ここでは2種類のスタックの作り方を説明します。ひとつは Revolution の開発環境上で使うツールスタックの作り方、もうひとつは Revolution をプレイヤーとして利用するスタックの作り方です。

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Revolution の開発環境上で使うツールスタックの作り方

 Revolution のツールパレットやプロパティパレットは全部 Revolution で作られています。つまりこれらと同じ使い勝手のツールスタックを作ることは可能です。開発環境上で使いやすいスタックを作るためには、最低限以下の条件が必要です。


○スタックの cantModify を true にする

 cantModify はスタックを変更不可にします。こうしておくとツールパレットでポインタツールを選択していても、マウスでボタンをクリックすることが出来ます。ツールとして使うには重宝です。またスタックを閉じるときに「保存しますか」と尋ねるダイアログが現れる煩わしさからも解放されます。

 スタックをロックしてあってもフィールドには文字を入力できます。このフィールドを保存したいなら、on closeStack で save this stack を実行する必要があります。

 cantModify プロパティは、プロパティパレットの Stack タブの Can't Modify チェックボックスからも設定できます。


○スタックの destroyWindow、destroyStack を true にする

 Revolution では、ウィンドウを閉じてもスタックを閉じたことになりません。完全にスタックをメモリ上から削除するには、File メニューの Close and Remove From Memory を使う必要があります。

 これらのプロパティを true にしておくと、ウィンドウを閉じた時に完全にメモリから消えるようになります。使い終わったツールは綺麗サッパリ消えて欲しいですから、これは便利です。もし変更した内容を保存したい場合は、on closeStack で save this stack を実行します。

 destroyWindow プロパティは、プロパティパレットの stack タブの Free Window Resources on Closing、destroyStack プロパティは同じく stack タブの Free Stack Memory on Closing チェックボックスから設定できます。

 注:これらのプロパティを設定したスタックを閉じた時、メモリ上から完全に消滅しますが、Overview ウィンドウはうまく更新されないようです。 Overview ウィンドウの内容を更新するには、一旦閉じて開き直す必要があります。


○ Quit メニューでは close this stack を実行させる

 Quit メニューでは Quit コマンドを実行させることが多いですが、ツールスタックでこれをやってしまうと、うっかり Command Q した時に Revolution ごと終了してしまいます。

 Revolution の開発環境上でも利用したいツールスタックなら、Quit メニューは close this stack を実行させた方がいいでしょう。仮にこのメニューを持つスタックをスタンドアローンにしたとしても、Quit メニューはちゃんと機能します。

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Revolution をプレイヤーとして利用するスタックの作り方

 Revolution にはプレイヤーというものがありません。 Revolution が起動してない状態でスタックをダブルクリックすると、妙にインターフェース部品の足りないモードでスタックが開いてしまいます。が、スタックをうまく作れば、Revolution 本体をプレイヤーのように利用することが出来ます。それには上記の作業をした上で、さらに以下の2つの作業が必要です。

○アイコンやイメージなどはインポートしておく

 ダブルクリックでスタックを開いた時、アイコンが消えてしまうことがあります。これは Revolution のイメージライブラリが利用できないためです。
 ツールとして使うスタックはそれ自身にアイコンイメージを入れておいた方が便利でしょう。 Development メニューの Image Library の Inport Image into Stack ボタンで、 アイコンイメージをスタックファイルの中に取り込むことが出来ます。


○必要なライブラリは Distribution Builder を利用してファイルに入れる

 ダブルクリックでスタックを開いた場合、Revolution 独自のライブラリを使っている機能が全滅になります。具体的には、Distribution Builder の Resources タブにあるものが全て使えない状態になります。

 Tip Of the Week! 4 は Distribution Builder を使って「スタンドアローンを小さくする」方法を述べていますが、実はこれらの情報を使えば、「必要なライブラリを含めたスタックファイルを作る」ことも出来ます。例えばインターネット関連のライブラリにチェックを入れてファイルを作れば、そのスタックはダブルクリックで開いた場合でもインターネットアクセスが可能です。

 配布用のスタックを作るには、Distribution Builder の Basic Options で、ウィンドウ右側にある Distribution Type の Files にチェックを入れます。次に Resources タブで必要なライブラリにチェックを入れます。どのライブラリが必要なのかは、Tip Of the Week! 4 を参照して下さい。 Stacks タブの Copy default font settings や Copy default colors にもチェックを入れておくと、フォントやカラー設定が生かされます。 Set destroyStack property to true にもチェックを入れるようにすると、スタックの destroyStack プロパティをセットしておく手間が省けます。

 これで Build Distribution ボタンを押せば、指定パスに指定スタックが作られます。オリジナルをそのまま使えない(いちいちファイルを作る必要がある)不便はありますが、こうして作ったスタックは予め Revolution を立ち上げておかなくても、ダブルクリックで即使用可能になります。

 スタンドアローンではなくソーススタックを公開する時は、これらの作業をしておくと便利かもしれません。ただ、ファイルが大きくなってしまうのが難点ではあります。


2003.01.08
UDI

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